第44回日本手術医学会総会

会長挨拶

未だに新型コロナウイルス感染禍の行く末を見極めることのできない状況ではありますが、本総会が開催される10月には、みな晴れやかな顔で一同に会することができると信じ、東京は学士会館、一橋講堂を会場として現地開催を予定しています。

手術部の責任者として、安全かつ効率的な手術室の運用のみならず、そこで働くスタッフの皆さんの働き甲斐、満足度を高め、過重な負担をかけないためにどうすれば良いか模索する毎日です。今回、「手術医学の挑戦:手術医療にかかわるすべての人が幸せになるために」をテーマとしました。手術医療の現場では、外科医・麻酔科医・看護師・臨床工学技士・放射線技師・薬剤師・検査技師・滅菌管理部門スタッフ・SPDスタッフ・事務担当者・清掃従事者、さらには業者の方々、さまざまな方々が働いています。みな思いは一つ、「患者にベストの医療を提供したい」に違いないのですが、その目的を達成するための正義は多種多様であり、異職種間の相互理解に乏しいこともしばしばではないでしょうか。本総会では、最新の手術機器・技術はもちろんのこと、職種間でのコミュニケーションを図り、患者を含めすべての人たちが幸せになるための方策を参加者みんなで考えていくことに焦点をあてます。さらに2022年度に新設された周術期栄養管理実施加算、術後疼痛管理チーム加算も取り上げます。

ぜひ、皇居のお膝元、格調高く、学会場としてほとんど使用される機会のない、でもドラマや映画のロケ地としても近年注目される学士会館、その斜向かいの一橋講堂にお越しいただき、手術医学について学び、語らい合いましょう。

会長 深柄 和彦
東京大学医学系研究科
侵襲代謝・手術医学講座 教授